彼女は言った

「やっぱりあなたから離れなきゃよかった…」

自分でも大体の想像はついていたが、

一応彼女に一つ一つ話しをしてもらった。

まず、俺が全然眠れなかったこと。

頭の横の電気をどうしても消したがっていたこと。

彼女はこう言った…

「私は消してほしくなかったんだけど…
あなたの横にずっと男の人が一緒に寝てるんだよね…」

ぞっとした…

「たぶん、あなたが消したがってたのは、
知らないうちに、その気配を感じとっちゃったからだと思うの。」

「でもね、その男の人は悪い人じゃないから、問題はなかったんだけど…」

だけど?さらに問い尋ねていく。

「この部屋、もう一人いるの。そっちのほうが、すごく怖い…」

たぶん、アイツだ…すぐにわかった。

夜、テレビを勝手につけたのもアイツだ。

彼女はさらに話を続けた…

「変なビニールの音聞こえてたよね?」

うなずく。

「それって、そこの洗面所のところに、女の人がよりかかってて…」

「それで、ビニールがつぶれてる音だったの。」

鳥肌がたった… やっぱり…

自分は目が悪かったし、コンタクトももちろん外していたから…

見えていなかっただけだったんだ。

たぶん、あのときやっぱり目が合っていた。

さらに彼女は続ける…

「それでね、あの足音や、ドアを閉める音、声は、
全部その女の人の音」

「だってそうでしょ?今ままでここつかってて、
あんなに音聞こえたことある?」

確かに…ある程度の防音がなされている以上、

あそこまで音がすることは、やっぱり異常だった。

「その女の人…すごく顔が怖い…」

「目の中が血でいっぱいなの、すごく怒ってる。」

「その女の人がこっちをずっと見てるから、
すごく嫌で嫌で仕方なくて、電気を消したくなかったの」

そういうことだったのか…

「でも、洗面所の電気はつけたくなくて…
だからお風呂場の電気をつけたんだけど…」

その離れてる隙に、俺に憑いちゃったわけか…

「なにか、その女の人のこと感じなかった?」

その質問に迷わず、

妬み。 嫉妬。 と答えた。

「そう、物凄く妬んでる。怨んでる。
多分、ここで男の人ともめて、自殺かなんかしたんじゃないかな?」

「体はんぶん、潰れて血だらけになってるし…
とにかく、彼女の目が怖いよ…」

今はいるの?

「ううん、あなたから抜けていってからは、
今のところ見えてないよ。」

おそらく、歯ブラシを窓の外に投げ捨てたのも、

その女の仕業だろう…

彼女の首に手をかけたとき、

ものすごい妬みの気持ちでいっぱいだった。

彼女はそれを感じていた。

憑依されているかどうか確かめるために

わざと肩を揉ませたらしい。

案の定、俺は彼女の首を狙った。

エッチのときにアイマスクをしたのは、

その憑依されて変わってしまった、

その女の目が混ざった俺の顔を見ることができなかったからだという…

その怯えた姿を見て、憑依された俺は余計に昂ぶっていたのだが、

それは、その女の勝ち誇った気持ちの表れだったんだろうか…

なんにせよ、今はその女の霊の姿はなく、

気持ちもすがすがしい感じで。

その瞬間から、また普通の一日が動き出した…

しかし、今でもあの部屋で、

あの女の霊は、泊まるものを妬み恨みの血の目で

睨みつけていることでしょう…


END

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